会議が終わった瞬間、ほっとするより先に「議事録、今日中にお願いね」のひと言が飛んでくる。30分の打ち合わせなのに、議事録をまとめるのに1時間かかってしまう。録音データを聞き返しては止めて、巻き戻して、また再生して……。気がつけば定時をとっくに過ぎていた、という経験はありませんか。
メモを取ることに集中しすぎて、肝心の議論にほとんど参加できなかった。逆に議論に夢中になって、あとから「あの数字、結局いくらだったっけ」と頭を抱えた。議事録というのは、地味なわりに消耗が大きく、しかも誰からも褒められない仕事です。
そんな議事録作成のつらさを、録音から文字起こし、AIによる要約までまるごと引き受けてくれるのが、2026年いちばん注目を集めているガジェットカテゴリのひとつ「AIボイスレコーダー」です。今回は、その代表格であるPlaudの2モデル、カード型の「Plaud Note AIボイスレコーダー」とウェアラブル型の「Plaud NotePin S」を取り上げながら、仕組みや選び方、カード型とウェアラブル型の使い分け、Web会議での録音方法まで詳しく解説していきます。
なぜ議事録づくりはこんなに消耗するのか
議事録作成がつらい理由は、はっきりしています。「聞く」「書く」「考える」を同時にやらなければならないからです。会議中は発言を追いかけながらメモを取り、会議後は録音を聞き返しながら文章に起こし、さらに要点を整理して読みやすい形にまとめる。1時間の会議なら、聞き返すだけで1時間、清書まで含めると2〜3時間かかることも珍しくありません。
従来のICレコーダーは、この問題を半分しか解決してくれませんでした。録音そのものは確実にできても、そこから先の文字起こしと要約は、結局すべて人間の仕事だったからです。「録音はしてあるけれど、聞き返す時間がなくて結局メモだけを頼りに書いた」という本末転倒な経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
スマホの録音アプリと無料の文字起こしツールを組み合わせる方法もありますが、会議のたびにアプリを立ち上げ、録音ファイルを移動し、ツールに読み込ませて……という手間が積み重なると、運用はだんだん崩れていきます。録音し忘れて青ざめる、ファイルがどこへいったかわからなくなる、長い会議だと無料枠を超えてしまう、というのもよくある話です。
そこで登場したのが、録音からAIによる文字起こし・要約までを一気通貫で引き受けてくれる専用デバイス、AIボイスレコーダーというわけです。まずは、その仕事の流れから見ていきましょう。
AIボイスレコーダーの仕組み:録音から共有まで4ステップ
AIボイスレコーダーと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、仕事の流れはとてもシンプルです。大きく分けると「録音」「文字起こし」「AI要約」「共有」の4ステップで、このうち人間が手を動かすのは、最初にボタンを押すところだけといっても言い過ぎではありません。

- ステップ1 録音:本体のボタンやスイッチを操作するだけ。会議中の操作は基本的に不要です
- ステップ2 文字起こし:録音データを専用アプリに転送すると、AIが自動でテキスト化。話者ごとに発言を区別する機能にも対応します
- ステップ3 AI要約:文字起こしされた全文から、要点・決定事項・宿題などを議事録の形に自動で整理してくれます
- ステップ4 共有:できあがったテキストを書き出して、メールやチャットでそのままチームに共有できます
ポイントは、ステップ2以降がほぼ「全自動」だということです。従来なら数時間かかっていた文字起こしが、録音データを転送してコーヒーを淹れている間に終わってしまう。要約テンプレートを選べば、議事録らしい体裁まで自動で整えてくれます。人間の役割は「書く」ことから、できあがったドラフトを「確認して直す」ことに変わるわけです。
しかも多くの製品は多言語の文字起こしに対応しており、Plaudシリーズの場合は100を超える言語をサポートすると公表されています。英語が飛び交う会議や、海外メンバーとのオンライン打ち合わせでも頼れる存在です。
この体験を支えているのが、録音のために設計された専用ハードウェアです。スマホの録音アプリと違って通知音や着信に邪魔されることがなく、会話の収録に最適化されたマイクで音声をクリアに拾ってくれます。ここからは、その代表格であるPlaudの2モデルを具体的に見ていきましょう。
カード型の代表格「Plaud Note AIボイスレコーダー」
まず紹介したいのが、AIボイスレコーダーというカテゴリを世界的に押し上げた立役者ともいえる「Plaud Note AIボイスレコーダー」です。見た目はクレジットカードを少しだけ厚くしたような薄型のカードで、厚さは約3ミリ、重さは約30グラムと公表されています。手帳のポケットやスマホケースにすっと収まるサイズ感が最大の特徴で、「レコーダーを持ち歩いている」という感覚がほとんどありません。


使い方は簡単で、録音は本体側面のスイッチを操作するだけ。録音データを専用アプリに転送すると自動で文字起こしが始まり、要約テンプレートを選べば議事録の形に整えてくれます。内蔵ストレージは64GBと余裕たっぷりで、こまめにデータを整理しなくても録りためられるのがうれしいところです。
評判を見ていても、「会議が終わった頃には議事録の下書きができている」「文字起こしの精度が想像以上だった」という声が目立ちます。実売3万円前後と決して衝動買いできる価格ではありませんが、議事録づくりに毎週何時間も費やしている人なら、時間換算で十分に元が取れる投資といえそうです。セール時は1〜2割引きになることもあるので、Amazonの大型セールの時期は要チェックです。
MagSafe対応でスマホの背面が「定位置」になる
Plaud Noteのユニークな点が、MagSafeに対応していることです。対応ケースを使えばiPhoneの背面にマグネットでぴたっと装着でき、スマホと一緒に持ち歩く「定位置」が作れます。会議室に向かうとき、スマホさえ持っていけばレコーダーも一緒についてくる。持ち忘れの心配が減るのは、地味ながらとても大きなメリットです。
さらにスマホの背面に装着した状態では、通話を録音するモードが使えるのもポイントです。振動をとらえる専用センサーを使う仕組みで、スピーカーフォンに切り替えなくても通話内容を録音できるとされています。電話でのやりとりが多い営業職の方や、口頭で仕様変更の連絡が飛んでくる仕事の方には、これだけで選ぶ価値がある機能といえるでしょう。

長時間バッテリーで「電池切れで録れていなかった」を防ぐ
バッテリーは公称で約30時間の連続録音に対応するとされており、毎日充電しなくても運用できるレベルです。会議の途中で電池が切れて肝心の決定事項が録れていなかった、という最悪の事態を避けやすい設計といえます。
朝から夕方まで打ち合わせが連続するような日でも、残量に神経をとがらせる必要はほとんどありません。「充電をあまり意識しなくていい」というのは、毎日使う道具にとって想像以上に大事な要素です。週末にスマホと一緒に充電する、くらいの習慣で十分に回せます。
身につける議事録係「Plaud NotePin S」
続いて紹介するのが、同じPlaudから登場しているウェアラブル型モデル「Plaud NotePin S」です。カプセルのような小さなボディを胸元や首元に身につけて使うタイプで、机に置いて使うカード型とは発想がまったく異なります。録音から文字起こし、AI要約までの流れはPlaud Noteと共通ながら、「いつ、どこで録るか」の自由度が大きく広がったモデルです。


最大の特徴は、クリップを含む4種類のアクセサリーが付属していて、装着スタイルを自由に選べることです。シャツの襟元にクリップで留める、ネックレスのように首から下げる、手首に巻いて腕時計感覚で使うといった具合に、その日の服装やシーンに合わせて身につけ方を変えられます。見た目は小ぶりなアクセサリーのようで、ぱっと見では録音機だと気づかれないさりげなさです。
身につけるスタイルの何がいいかというと、「録音機の存在を忘れられる」ことに尽きます。録音の開始はワンタッチ。机の上にレコーダーを置くスタイルだと録り逃しやすい、廊下での立ち話、オフィス内を移動しながらの相談、店舗や現場を歩きながらの打ち合わせといった「机のない場面」の会話を、そのまま記録できるのはウェアラブル型ならではの強みです。
価格はこちらも実売3万円前後で、セールのタイミングでは割引されることがあります。録音した内容が自動で文字になり、要点まで整理されるという体験は共通なので、あとは自分の働き方にどちらの形が合うか、で選ぶことになります。
NotePin Sはこんな働き方の人に向いています
- 外回りや立ち話など、机のない場所での会話を記録したい人
- 1日に何件も打ち合わせがあり、会議室を転々と移動する人
- 取材やインタビューなど、相手と向き合いながら手元を空けたい人
- 歩いている最中に思いついたアイデアを、その場で声でメモしたい人

一方で、スマホと一体化させて通話録音まで活用したい人には、MagSafe対応のPlaud Noteのほうが適しています。このあたりの使い分けを、次のセクションで整理してみましょう。
カード型とウェアラブル型、どう使い分ける?
同じAIボイスレコーダーでも、カード型とウェアラブル型では得意な場面がはっきり分かれます。2モデルの違いをざっくり整理すると、次のようになります。
| Plaud Note(カード型) | Plaud NotePin S(ウェアラブル型) | |
|---|---|---|
| 主なスタイル | 机に置く・スマホ背面に装着 | 胸元・首元・手首などに装着 |
| 得意な場面 | 会議室での打ち合わせ、通話の録音 | 立ち話、外回り、移動しながらの会話 |
| 持ち運び | MagSafeでスマホと一体化できる | 身につけたまま存在を忘れられる |
| 向いている人 | デスクワーク中心・電話が多い人 | 外出や移動が多い人 |
会議室に座って行う定例ミーティングが中心で、電話のやりとりも記録したいならカード型のPlaud Note。社内外を動き回り、ふとした立ち話や現場での会話にこそ重要な情報が詰まっている、という人ならウェアラブル型のNotePin S。これが基本の考え方です。
口コミを見ていると、2台を使い分けている強者もいるようです。座る会議はNote、動く仕事はNotePin Sと持ち替えれば、文字どおり「すべての会話が資産になる」環境のできあがりです。とはいえ最初の1台としては、自分の働き方に近いほうから始めるのがおすすめです。
Web会議(Zoom・Teams)の録音はどうする?
「対面の会議はわかったけれど、うちの打ち合わせはほとんどZoomなんだけど」という方も多いはずです。結論からいうと、AIボイスレコーダーはWeb会議でも活躍します。ポイントは「音の出し方」です。
最も簡単なのは、PCのスピーカーから相手の音声を出し、レコーダーを手元に置いて録音する方法です。自分の声も、スピーカーから流れる相手の声も、まとめてマイクが拾ってくれます。在宅勤務で周囲に人がいない環境なら、この方法がいちばん手軽で確実です。
注意したいのは、イヤホンやヘッドセットを使っている場合です。相手の音声が耳元にしか流れないため、机の上のレコーダーでは自分の声しか拾えません。Web会議を丸ごと記録したい日は、スピーカー出力に切り替えることを忘れないようにしましょう。オフィスで周囲に音を出せない場合は、対面会議用と割り切るのもひとつの判断です。
また、会議室に数人が集まり、一部のメンバーがオンラインで参加する、いわゆるハイブリッド会議こそAIボイスレコーダーの得意分野です。Web会議ツール標準の録画機能では会議室側の音声が遠くなりがちですが、会議室のテーブル中央にレコーダーを置けば、その場の議論までしっかり拾えます。
なお、録音にあたっては相手への配慮も忘れずに。社外の相手との打ち合わせでは「議事録用に録音させてください」とひと言断るのがマナーですし、会社によっては録音やクラウドへの音声アップロードについてルールが定められていることもあります。導入前に社内規定をひと通り確認しておくと安心です。
失敗しない選び方:録音時間・多言語・料金プラン
最後に、AIボイスレコーダーを選ぶときにチェックすべきポイントを3つに絞って整理します。Plaud以外の製品を検討する場合にもそのまま使える視点です。
録音時間とストレージ容量
まず確認したいのが連続録音時間です。会議が立て込む日を想定すると、最低でも丸1日、できれば数日は充電なしで持つモデルが安心です。あわせてストレージ容量もチェックしましょう。容量が小さいと、ファイルの整理という新しい仕事が増えてしまいます。その点、64GBの大容量をうたうPlaud Noteのようなモデルなら、録りためてもまず困りません。
多言語対応と文字起こしの精度
文字起こしの対応言語も重要なポイントです。日本語の精度はもちろん、英語が混ざる会議や外国語でのやりとりがあるなら、対応言語の幅を確認しておきましょう。Plaudシリーズは100以上の言語に対応すると公表されており、この点では業界でも先頭グループです。専門用語が多い業界の方は、口コミで自分の業界に近い使用例を探してみるのも有効です。
料金プランは「月にどれだけ文字起こしするか」で決める
意外と見落としがちなのが、購入後にかかるAI処理のプランです。AIボイスレコーダーの多くは文字起こしや要約をクラウド上で処理するため、毎月の処理時間に上限が設けられています。Plaudの場合、無料プランでも毎月一定時間の文字起こし枠が用意されており、ヘビーに使う人向けには上位プランが提供されています。
「週に1〜2回の定例会議だけ」という使い方なら無料枠で足りる可能性が高く、「毎日複数の会議をすべて記録したい」という人は有料プランを前提に考えるのが現実的です。本体価格だけでなく、自分の会議量と月々のプランのバランスを購入前にシミュレーションしておくと、後悔のない買い物になります。
まとめ:議事録は「書く仕事」から「確認する仕事」へ
録音ボタンを押せば、あとはAIが文字起こしから要約までやってくれる。人間の仕事は、できあがった議事録のドラフトを確認して整えるだけ。AIボイスレコーダーが変えてくれるのは、まさにこの「議事録との付き合い方」そのものです。
会議室での打ち合わせや通話の録音が中心なら、MagSafeでスマホと一体化できるカード型の「Plaud Note AIボイスレコーダー」。立ち話や外回りなど、動きながらの会話まで記録したいなら、クリップを含む4種類のアクセサリーで身につけられるウェアラブル型の「Plaud NotePin S」。録音から要約までの自動化という核になる体験は共通なので、自分の働き方に近いほうを選べば大きな失敗はありません。
毎週数時間の議事録作成から解放されたら、その時間で何をしましょうか。早く帰って家族と過ごすもよし、温めていた企画を練るもよし。議事録を「がんばって書く」時代は、もう終わりにしてもいいのかもしれません。



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